タイルを焼こう。
新しく始めるパン屋の外装を、メンバーみんなで手作り!?
幸せなタイルが生まれました。
店舗スタッフのメンバーの手によって色付けされる世界にひとつのタイル。
愛のつまったお店の外装に。
憧れのタイルのイメージをみんなで共有。
「今度はじめるお店の外壁タイルを作りたい。」そんな一本の電話から、建築事務所の方々がはじめるパン屋の外装タイルを焼くことに。まずは、東京・南池袋の建築事務所で早速タイルサンプルを見ながら打ち合わせ。
「こんなタイルの風合いがいい。」そういって見せていただいたのは、京都にある、京極ダイニングの外装タイル。
実は、私も京極ダイニングのタイルの美しさにときめいているうちのひとり。ちょうど昨年の10月に、実際にタイルを見に行き、そのディテールを見てきたところ。一枚一枚手で色付けされたタイルは、一点一点、釉薬の量が違い、濃淡が出て優しく落ち着く風合いに。
二条城と安倍晴明神社の間にある長い歴史をもった京都の商店街・堀川商店街の中にある、京極ダイニングの緑の色むらタイル。堀川団地の再生にも関わり京都で不動産業を営む岸本氏(「もし京都が東京だったらマップ」著者)に案内いただき、憧れのタイルとご対面。隣の久遠チョコレート(▶︎greenz.jp記事はこちら )のお話はまたぜひどこかで紹介したいです。
「岐阜へ行って、自分たちの手でタイル作りを!」-湿式製法、乾式製法、両方の可能性を探る。
今回のタイルのオーダーは、緑の深みがあるタイル。そして、手作りの風合いで、一点一点オリジナリティ溢れるタイル。
打ち合わせの中で、タイルは手で色付けすることができ、その方がムラが出ますよという話をしていた際に、せっかくオーダーメイドにするのであれば自分たちの手でタイルを作りたい、という意見があがり、「岐阜へ行って作っちゃおうよ!」という話に。(みなさん、普段から全国を飛び回って活躍されている方々なので、フットワークが軽い!)そんな流れで、前代未聞の自分たちの店舗のタイルを自分たちで作る、という究極のオーダーメイドに挑戦することに。
早速岐阜に戻り、手作りタイルづくりための試験を開始。手作りの風合いにこだわれば湿式製法のタイルが向いているため、まずは、湿式製法でタイルを作ってみて風合いやタイル作りのオペレーションを検討。
湿式製法は乾式製法と比べて生地に含水率が多い土を使い、乾燥などに時間を要すため、製造に日数がかかり、東京から何度も足を運ぶにはコストがかかってしまう。研究機関や職人と検討を重ね、それならば、生地ではなく、釉薬の力で、手作りの風合いを出していく試験に切り替えようということに。
そこから釉薬の試験を重ね、「これでいこう」といっていただける釉薬を開発。乾式製法×釉薬手づけという方向に決まった。深みをだすために、濃色と淡色の2種類の緑釉薬を使用することに。それらを手にで色付けすることで、ムラ感を生み出す。
手付けも、何秒間釉薬に付けるかによって、釉薬の吸い込みが変わる。何度も試験をして、釉薬の中に生地の表面をどぼんと3秒間つけること(名付けて「どぼん3秒」)を基準にし、色付けを行うことに。
チームでワイワイ!5時間で8平米分の二丁がけタイルの色付け完了!
東京、名古屋からも今回のタイル色付けのためのメンバーが到着。早速、タイルの色付けに。二丁がけタイル、8平米分、528枚を6人で色付けはじめる。最初は慣れない、釉薬への「どぼん」の感覚もタイルの枚数を重ねるごとに上達。(みなさん最後の方は、タイル色付けの職人クラスに!)最後の一枚には、裏側に名入れ!約5時間の作業でタイルの色付けを終了!チームワークも生まれ、思い入れのあるタイルが生まれた。
焼成前のタイルはグレーかかった紫のような色をしている。
「これが緑色になるなんて・・・!」「どんな風合いになるのか想像できない。」「その釉薬の付け方、センスのカタマリ!」と色付け中の会話が弾む。
タイル貼りは、職人さんをご紹介させていただき、プロ直伝のセルフリノベーションで!タイルを作って、タイルを貼って、完全オリジナルの外装。パンで地域と関わり、パンで食卓を飾り、パンで情報発信し、そして、パンがある幸せな風景をたくさんの場所に作っていくことが目標という、愛の詰まったパン屋さんです!
Kandagawa BAKERY(神田川ベーカリー)
東京都 豊島区 高田1丁目11−14
https://www.kandagawabakery.com/
クライアント:神田川ベーカリー
施工場所:外装
施工方法:職人指導のもとセルフリノベーション
平米数:8平米