【制作ストーリー】岐阜県瑞浪市に「かまどパン」誕生 |クラウドファンディング返礼品として生まれた「パン屋のパンタイル」の制作ストーリー

2026年3月、岐阜県瑞浪市に、新しく「かまどパン」が誕生しました。今回、カマドブリュワリーの社長の東さんよりご依頼をいただき、クラウドファンディングの返礼品となるオリジナルの「パンタイル」制作に取り組みました。

パン屋さんのはじまりをかたちにするような、特別なタイル。
パンらしい形、焼き色、質感にこだわりながら、ひとつずつ試作と調整を重ねて完成したプロダクトです。

まず「タイルでどんなことができるか」からスタート

打ち合わせは、「タイルでどんな表現ができるのか」を共有するところから始まりました。

そのうえで、東さんの中にある「こんなパンの形にしたい」というイメージをお聞きし、既製品ではなく手描きのラフから形を起こしていくことに。パンのやわらかさや親しみやすさが感じられるフォルムを目指し、少し丸みのある輪郭や、人の手の温度が残るような形を検討していきました。

同時に、「どんな色ならパンらしく、おいしそうに見えるか」も大きなテーマに。
単なる茶色ではなく、焼きたてのようなこんがり感や香ばしさ、少し焼きムラのある表情まで、タイルでどこまで表現できるかをすり合わせていきました。

実際のタイルサンプルを見比べながら、空間に合う色味や雰囲気を確認。形だけでなく、素材感や焼き上がりの印象まで含めて、一緒にイメージを育てていく時間となりました。

タイルメイドが提案したこと

今回の制作でタイルメイドが大切にしたのは、「パンらしさを、タイルでどこまで表現できるか」 ということでした。

釉薬については、玉川釉薬の新社長・井戸さんにご協力いただき、これまで蓄積されてきたレシピの中から“パンのようにおいしそうな色”を選定。

採用したのは、一度の施釉で薄茶と焦茶の両方の表情が生まれる特別な釉薬です。
焼成によって自然な濃淡が現れ、まるで焼き色のついたパンのような表情が生まれます。

さらに、同じ釉薬でも濃く掛けるものと薄く掛けるものを組み合わせ、比率を分けて制作。その結果、1枚ごとに色の出方が異なり、本物のパンの焼き上がりのような豊かな色むらが生まれました。

形づくりも、TILEmade 玉川による手描きのイメージからスタート。

その輪郭をもとに石膏型を削り、原型を制作・提案しました。既成の“パン型”ではなく、手描きのやわらかな線を活かすことで、人の手のぬくもりが残る形に仕上げています。

また、表情づくりとして3種類の面状をテストしました。

  • 石膏型が当たるフラットな面
  • 手押しの跡がほんのり残る面
  • タオルを押し当ててざらつきを出した面

この違いによって、同じ形でも印象は大きく変わります。

つるっとした面は整った印象に、ざらつきのある面は粉をまとったパンのような印象に。
実際に並べて比較し、その中から東さんにお選びいただきました。

また今回は、TILEmadeに大分からインターンに来てくれていた学生さんにも制作を体験してもらいました。ものづくりの現場に触れる、特別な時間になったと思います。

焼き上がった「パンタイル」

焼き上がったパンタイルは、想像以上に“パン”らしい存在感を持っていました。

やわらかな輪郭、こんがりとした焼き色、ところどころに現れる濃淡。1枚ずつ表情が異なり、均一ではないことがむしろ魅力となり、焼きものならではの面白さが際立っています。

薄く色がのった部分は食パンのふんわりとした質感のように。濃く発色した部分は耳の香ばしさや焼き目の深みのように。タイルでありながら、自然と「おいしそう」と感じられる仕上がりになりました。

オープン前の工場に無事に納品することができました!(瑞浪・地元なので直接お持ちしました!)

施工も一緒に。最後まで見守る

完成したパンタイルは、実際の空間に施工されることで、さらに魅力を増していきました。

パンをモチーフにしたタイルだからこそ、店の世界観がやわらかく伝わり、訪れた方の記憶にも残る存在になっています。

手描きのイメージから始まり、型を削り、面状を試し、釉薬を選び、焼き上げる。
そのすべての工程を経て生まれたタイルが空間に収まった瞬間、プロジェクトがひとつの風景として完成したように感じました。

このプロジェクトで何より印象的だったのは、社長の東さんがタイルを見て「可愛い!可愛い!めっちゃいい!」と、何度も愛でてくださったこと。

今回のプロジェクトは、瑞浪という場所でご一緒できたらと、TILEmadeからお声がけさせていただいた取り組みでした。 だからこそ、その反応が本当に嬉しくて、このタイルをつくることができてよかったと心から感じました。

タイルができることがある

瑞浪で生まれた「かまどパン」のために制作したパンタイルは、単なる“パンの形をしたタイル”ではありません。それは、パン屋さんのはじまりを一緒につくるタイルでした。

東さんのイメージから形を起こし、玉川釉薬の知見を活かして“おいしそうな色”を探し、焼きものならではのむらや質感を大切にしながら仕上げた今回の返礼品。

ひとつのタイルの中に、人の手の跡、素材の個性、焼成の偶然、そして店づくりへの想いが詰まっています。

瑞浪に生まれた新しいパン屋さん「かまどパン」。

その空間のどこかで、このパンタイルもまた、お店の物語を伝える存在になってくれたら嬉しいです。そして、こうした“想いからつくるタイル”は、特別な場所にこそよく似合うと感じています。

特別な一枚をつくりたいときは、ぜひTILEmadeにご相談ください。


地域の魅力をタイルで伝えるお手伝いを、これからも続けていきます。
その土地ならではの想いや風景に寄り添い、より良い形づくりに関わっていければ幸いです。

タイルに関するご相談は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

▶ タイルメイド施工事例
https://pro.tilemade.jp/category/works/

▶ プロの方へのご提案
https://architect.tilemade.jp/


タイルメイドでは、空間づくりに合わせたタイルのご提案を行っています。

また、タイルメイドを代表する人気商品
「青むらタイル」もぜひご覧ください。空間に深みと表情を生み出す、私たちのブランドの唯一無二のタイルです。