今回ご紹介するのは、設計事務所スターパイロッツ様よりご依頼いただいた、さくらクリニック様のエントランス用オリジナル桜タイルの製作事例です。
クリニックの“顔”となる入口を特注タイルで彩りたい。そんな設計意図を受け、空間の一部として自然に溶け込むタイル表現をご提案しました。

■ ロゴを「空間の素材」にするという考え方
ロゴは本来、平面的なグラフィックです。それをタイルとして成立させるために意識したのは、「目立たせる」ことよりも、長く空間になじむこと。
- 桜の花びらを思わせる、やわらかな輪郭
- ロゴ文字は浅めのレリーフで、主張しすぎない表現
- 近づくロゴと気づき、離れると壁の一部として感じられる存在感
釉薬が美しく溜まり、自然な陰影が出るよう、文字の強弱や角の丸みは何度も調整を重ねています。

■ 色開発は4色。実際の桜から生まれた揺らぎ
今回の桜タイルでは、4色のオリジナルカラー開発を行いました。
目指したのは、「均一なピンク」ではありません。
実際の桜を観察すると、咲き始めの、ほとんど白に近い淡い色、日差しを受けてやさしく発色する花びら、花が重なった部分に生まれる、少し深い赤み、影を含んだ、落ち着いたトーンなど、一輪の中にも自然な色の揺らぎがあります。
ロゴのもともとの色と、桜のイメージをもとに、淡いピンクから深みのある赤まで、あえて均一にしすぎない4色を開発しました。
焼成によって生まれる釉薬の表情も重なり、一枚一枚が少しずつ異なる、本物の桜らしい自然な表情に仕上がっています。

■ 「全面を桜にしない」という選択
今回の計画では、エントランス全面を桜タイルで構成するのではなく、メーカー品の葉モチーフタイルと組み合わせる構成をご提案しました。
その後、設計士さんからいただいたイメージデータ。

桜はロゴとして印象的な存在にし、背景は既製品タイルを用いてリズムよく構成する。そうすることで、空間全体のバランスを保ちながら、桜のモチーフがより引き立つのではないかと考えました。
すべてをオリジナルでつくるのではなく、「どこにオリジナリティを集約するか」を整理することは、意匠性を損なうことなく、コスト調整の可能性を広げることにもつながります。設計意図と予算、その両方を大切にしながら、空間として最適なかたちを探ること。
その中で、「どこに想いと予算を集中させるか」という視点から、私たちTILEmadeだからこそご提案できることもあるのではないかと考えています。
■ 葉の中に、一輪咲く桜タイル
葉をモチーフにしたタイルが連なる壁面の中に、さくらクリニックさんのロゴ桜が、一輪咲く。
近くで見ると、釉薬の奥行きや質感が伝わり、少し離れると、壁全体がやさしい模様として感じられる。距離によって印象が変わることも、このエントランスの魅力です。

■ 入口に込めた、特注タイルのメッセージ
病院やクリニックは、少し緊張しながら扉を開く場所でもあります。だからこそ、「ここなら大丈夫そう」「なんとなく安心できる」、そんな気持ちを、言葉ではなく、素材・色・かたちで伝えたい。
この桜タイルが、さくらクリニック様を訪れる方にとって、ふと心がゆるむような、安心できる記憶の一部になれば嬉しく思います。

ロゴをそのまま貼るのではなく、素材に落とし込み、空間として育てていく。
これからも、設計者の方の意図や使われる場面に寄り添いながら、オリジナルタイルだからこそできる表現を丁寧に形にしていきます。

オリジナルタイル・ロゴタイルのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
地域の魅力をタイルで伝えるお手伝いを、これからも続けていきます。
その土地ならではの想いや風景に寄り添い、より良い形づくりに関わっていければ幸いです。
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